人気ブログランキング | 話題のタグを見る

風景

哀しみを捨てた鳥達が

灰色の大空をゆっくりと舞いながら

冬の滲んだ太陽の中で黒い点となる


季節の中で置き去りにされた心が

震えながら次の季節の到来まで

蹲って耐えている


風にさらわれた花びらが

あちこちの歩道に姿を散らし

道行く人々の

靴に踏まれては泥にまみれて行く


時折 誰かのこぼした溜息が

舗装された道路に滑り落ちては

ころころと足元を通り過ぎる


目の前には

すっかり木の葉を落とした街路樹が

細い枝先までシルエットを浮き彫りに

歩道に覆いかぶさる様な姿で

震えながら聳えている
by _kyo_kyo | 2009-02-03 08:08 | | Trackback
<< 冬の雨音 心地良い疲れ >>