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迷いの森

追っているの

自分の心を

不安定な風見鶏は

くるくると廻り続けて

どちらを向いて良いのか分からない


なぞっているの

あなたの心を

不透明な涙の後を辿りながら

やがては迷路の森で立ち往生


不思議の国はどこにあるの

白いウサギの懐中時計

壊れた針は

決して正しい時間を示さない


この不思議な森で

あなたは何処の扉を開くの

待ち合わせの時は来ない

花の蕾は開かないまま

平気で誰かの悪口を喋り続ける


不思議な森で

あなたに出会って

意地悪な森で

あなたとはぐれた


洒落ウサギの後を追って

意地悪な花に行方を聞いても

答えはどれも的外れ


出口の見えない迷い森

どこまで行けばあなたに会える

どこまで行けば出口が見える
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by _kyo_kyo | 2009-04-23 00:48 | | Comments(0)

訪れ

枯れた葉の隙間から

知らぬ間に次々と新しい芽が育ち

忘れていた命の逞しさを知らされる


去年の赤薔薇は

じっと佇んだまま

花びらを散らして往ったのに

今年の新しい蕾が

硬い緑のがくに守られたまま

次の命の歌声を繋いでいる


そっと聞いて

新しい季節の訪れを

このまま耳を傾けて

途絶えることのない命のループを

ためらいがちに伸ばされた

その腕を決して振りほどこうとはしないで


目に見えないものを信じてるなんて

言うことは出来ないけれど

この目に見えているものだけを

信じている訳でもないの


今まで佇んでいた世界を

履き慣れた靴を脱ぎ捨てるように

するりと脱ぎ捨てて

まだ誰も見たことの無い世界に

一歩踏み出す勇気を得ようと思う


通りしなに一際強く吹き抜けたのは

ずっと昔に優しく頬を撫でてくれたあの同じ風

けれど今は過去を懐かしむ必要なんかない

今は風よもっと強く吹けと

顔を上げて体ごと

新しい世界にぶつかって行こう
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by _kyo_kyo | 2009-04-23 00:19 | | Comments(0)

忘れない 決意

交わされた約束は

決して果たされることは無かった

過去も 現在も 

そして未来も


繋ぐものの無い

時の檻に閉じ込められたまま

オレンジ色の月に照らされた幻が

幻燈の影絵のように

次々と浮かんでは消えて行く


もう追いかけてはいけない

青い草の原に横たわったまま

流れゆく星の数を数え続けよう


思念は時の壁さえ

軽く飛び越えて見せるけれど

この羽は灰色に汚れすぎて

空を飛ぶにはあまりにも重過ぎる


もう何処にも行けない

ひとしきり頬を伝う涙に

流れ行く風の行方を追いながら

行ける筈の未来を予測している


ほんの少し手を延ばせば届きそうで

指先がその縁を掠めるけれど

それでもきっと掴まえることはしないままで


オレンジの目に映る世界は

一体何処へ流れるのだろう

このままじっと澱んだような世界で

何を掴まえて行けるのだろう


小さな羽根をばたつかせてもがきながら

飛んで行ける未来を探している

羽ばたけるだけの力を蓄えている
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by _kyo_kyo | 2009-04-19 10:37 | | Comments(4)

自問  (入院患者さんに宛てて)

笑い返したその目が

少しも微笑んでいなかったから

もう少し話し続けていたいと思った


また明日と後ろざまに手を振る

その背中がひどくゆがんで見えて

しっかり と心の中でエールを送った


死んでもいいよ そう口癖のように言うのは

ただ誰かに甘えたいだけなんだ

それが分かっているから

だめじゃない と叱り飛ばす事もできるんだ


一つの背中が二つに増えて

その影はやがて三つにも増えた

そうしてまた一人減り二人減りして

今日もまた次の背中を見送っている


寂しいんだ

最後にそう呟くように言った

あなたの言葉が

今でも胸の底に蹲って消えていかない


いつかまた笑顔で会いましょう

そう言って見送ってあげれば良かった

そう言って痩せた肩を

ただそっと叩いてあげれば良かった
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by _kyo_kyo | 2009-04-12 23:26 | | Comments(6)

桜空

普段何気なく聞き過ごしている

そんな当たり前の言葉が

何故かじわりと胸に沁みる


昨日と何も変わらない筈なのに

昨日よりもずっと素直に有難うと感じる


穏やかな日差しに包まれ

猫の転寝のようにまん丸な気持ちになって

このままずっと

素直に笑える自分でいよう


誰かを うたがったり

何かに ひがんだり

訳も無く おちこんだり

今日はそういうことは やめておこう


桜の花びらを透かして見る空は

薄曇りのなか絶えること無い

穏やかな微笑を浮かべている


大きく枝を広げた桜の花房が

幾重にも重なり風に揺れながら

春の季節を抱きしめている
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by _kyo_kyo | 2009-04-07 01:53 | | Comments(6)

そんな心なら要らない

心はいつしかささくれ立って

優しさを置き去りにしてしまうから

そんな心なら要らない

そんな心だったら

少しも惜しくない


むき出しの優しさは照れくさいから

桜の葉でくるんで

ちょっと照れ隠ししながらで良いんじゃない

その位で丁度良いよ


誰でも優しさに飢えているけれど

他人に優しくないのに

自分には優しくしろって

それはちょっと図々しいんじゃない


子供でも大人な子っているよ

それと反対に

大人でも子供な人っているんだよね

それってどうよ

人としてどうよって思うけど

案外自分がそうだったりして

意外と自分のことって

見えているようで見えてないんだ
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by _kyo_kyo | 2009-04-01 04:26 | 呟き | Comments(2)

春の猫

通りの向こうから

甘えた声で鳴きながら擦り寄ってくる

太った顔馴染みのトラ猫よ


小さな丸い頭を

摺り寄せるように膝に押し付けては

撫でてくれよと体ごとぶつけてくる


ぼさぼさの毛並みに赤い首輪が愛嬌だ

君はきっと穏やかで優しい飼い主に恵まれているのだろう

もう少し毛繕いしなよと言いながら撫でると

その体からは春の温もりがした
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by _kyo_kyo | 2009-04-01 04:14 | | Comments(6)

雨跡

窓ガラスに残った雨粒が

白い筋を残して消えて行く

小さな足跡のようなその筋を

指でなぞりながら今年の春の訪れを思う

不安定な毎日の中で

先の見えない暮らしを重ねながら

この雨粒のように

何かを残しながら次の一日へとまた過ぎて行く
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by _kyo_kyo | 2009-04-01 04:03 | 呟き | Comments(0)