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季節が変わる

夏の風が

強い雨と

土の匂いを含んで

季節の変わり目を告げている

雨の音に耳を澄まし

あのひなびた匂いのする

寝床へと想いを馳せる


もう直ぐ季節が変わる

金色の木の葉が舞い

雲雀が高らかに歌う

あの実り豊かな秋が

今年ももうそこまで来ている


私の頬を

雨風が一際激しく打ち

私はそれをただ清々しく感じている
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by _kyo_kyo | 2011-08-25 23:00 | | Comments(1)

夢見るダイアモンド 14-2

            ☆ ☆ ☆

一通りの作品を見終わると、三人は余韻を楽しみつつ紅茶を啜りながら、たっぷりとした満足のひと時を過ごしていた。
「久しぶりに、ゆったりととても楽しい時間を過ごさせて頂きましたよ」
受け皿にカップを戻しながら淡々と話し続ける姿が美沙には眩しく感じられる。
この小柄な紳士が、あれだけの作品を創り出したのかと思うと、新たに畏怖の念さえ起こる。
創作へのあれ程の情熱をこの人は普段一体何処に隠し持っているのだろう。
「柳瀬さんは、すごい人を叔父さんに持っているんだね」
呟く美沙に「ああ、僕にとって叔父は誇りだからね」と弘喜に言われて、照れる姿はまるで少年の様だ。

暫くティータイムの心地良い沈黙が続いた後、美沙はおもむろに緊張しながらバックから一つの指輪を取り出しテーブルに置いた。
「実は今日はもう一つお願いがあって来たんです。この指輪を見て頂けますか」
そう言って柳瀬の叔父を見上げると「ほう、なかなか良いオパールですね。小振りだがブルーの発色が上品だ。14Kの台座も時代を感じさせるデザインですね」
叔父が指輪を取り上げて傾ける度に、石は色の魔術師のように角度により様々な色を放つ。

「この指輪は母が私の父の母親から譲られたものです。私に譲ってくれると言っていた約束を忘れてずっと仕舞いっぱなしになっていましたが、先日母に言って貰って来たばかりなんです」
「成る程、お祖母様からお母様へ譲られた品ですか。それはまた随分とこの指輪には歴史がありますね」
「それでですね」その先がなかなか言い難いがその為に先日実家から貰って来たのだ、ここは駄目もとでもきっちり後悔の無い様に言わなければ。
「それで、これも何かの縁かと思いまして、もしご迷惑で無ければどれだけお時間が掛かっても構わないのでこの指輪をリホームして頂けないでしょうか。無論柳瀬さんにお願いするのは決してお安くない事も分っていますが、先に予算を組んで頂いて私に払える範囲でお願いできないでしょうか。シンプルな毎日使いの出来る指輪に直して頂きたいんです」一息に話し終えると顔が火照った。
「そうですね」そう言ったきり叔父はオパールを眺めながら暫く黙り込んでいる。
彼の頭の中をどんな思考が廻っているのだろう。美沙は人が何か考え込む姿が好きだ。
子供の頃は、その人の頭の中を覗き込んだら流星が舞っているのかな、などと突拍子もない事を想像したものだった。
しかし今の美沙にそんな余裕は無論無い。緊張のあまりどきどきする心臓の鼓動が相手に聞こえるのではないかと心配だ。
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by _kyo_kyo | 2011-08-05 06:14 | 小説 | Comments(0)

好きなように生きたい

当たり前の様に過ごしている毎日が

本当は少しも当たり前なんかじゃ無くて

自分の愚かな頭抱え込みながら

夜がさらりと朝に変わる様に

分らない事だらけのこの世界

全て理解できる力が欲しい


0を1にしたい

1を0に変えたい

なりたい自分になれる魔法

在りたい世界を創れる魔法

何処に行ったら見つけられる


後悔はしたくないのに

どこかで貼りついたこの後悔

いつまで抱え込んで行くのだろう

どこまで付き合って行くのだろう

きっと永遠の眠りにつくその日まで

影の様に貼り付いているのだろう


いつかどんな後悔も

きっと愛しいと思える時が来る

どんなに耐え切れない日々だって

一瞬一瞬の積み重ねの毎日が

溢れる程の愛しさで

満ち溢れているのを感じるから


やがて私も死んだなら

何処かで誰かが泣くのかな

それともまるっきり誰一人にも

死んだことすら気が付かれないままで


ああ それも単純だ

余りにも単純過ぎて

寧ろ気持良い位 潔いかも知れない


死ぬときは一人

誰にも気付かれないままでも

老木の様に朽ちていけたら

それはそれでささやかで

けれど一等贅沢な

幸せと呼べるのだろう 


きっとそう

呼べる日が来るのだろう 
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by _kyo_kyo | 2011-08-02 10:19 | | Comments(4)