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乞食

彼女は言った

疲れ切って眠る男に「乞食」と

平然とそう言い放った

友人達と大声で笑い合う彼女の無神経な顔に

思いきり水をかけてやりたい

水差しを手にした私は思わず立ち尽くしていた


別の男は酷く凶暴だった

真っ黒な顔にいつも目だけが異様に光り

獣のように怒った表情を浮かべては

誰彼見境い無く飛びかかろうとしては仲間に諭されていた

辛い目にしかあわなかったのかも知れない

同情はしないけれどそんな気がした

「こいつ、いつもこんな風なんでごめんね」

仲間が代わりに謝っていた

あの人達がついている間は彼もきっと大丈夫だろう


白い髭を仙人の様に伸ばした男もいた

「この人凄いんだよ、俺達の中で年金手帳持ってるのこの人だけ」

仲間が自分の事の様に自慢気に話してくれた

「見るかい」仙人に聞かれて私も笑って答えた

「本当、凄いですね」


寒さをしのぐ家も無ければ家族も持たない

いつ何処で凍え死んでもちっとも不思議では無い

けれど心の奥底では

そんな彼らに強い共感を覚えながら

少しだけ羨んでいる

「乞食」として生きる道を選ぶしかなかった彼らの人生

そんな風にしか生きられない彼らの人生

私の人生なんてまだまだずうっと甘っちょろい

そう思いながら

今夜もガードレール下で

ぼろ布の様になった体を横たえ

浅い眠りに就くであろう

彼らに思いを馳せている
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by _kyo_kyo | 2012-11-30 03:09 | | Comments(4)

頭にきた~

エキサイトさん、こんなに仕様をコロコロ変えないでくださいな。
私の様な初心者には、コメント入れたブログやお友達のブログが見つからなくて焦りまくりです。
というか、最初自分のブログにも辿り着けなかったという・・・(涙)

間違ったところへ来ちゃったのかと思いました。
これもいつか慣れるのだろうか・・・
やっぱり前の仕様に戻して欲しいに一票!!
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by _kyo_kyo | 2012-11-27 02:30 | 呟き | Comments(6)

掲載作品 其のニ

此方は私の出身地でやはり小さな賞を頂きました。
今年の秋に発表になり、掲載は授賞式の後との事でまだですが、
一括して掲載作品とさせて頂きました。
遠方なので残念ながら式は欠席です。
詩は2011年にここのブログで発表したものに、
少し手を加えて応募させて頂きました。
「図書カード」の様な大幅な変更はありませんが、
比べてみると推敲前の作品の稚拙さが目立ちました。



「棘のプリズム」


棘が刺さっていた

ただの目立たぬ棘だった

何時か抜けるだろうと

そのまま放って置いた


いつしか棘の存在など

すっかり忘れてしまった頃

棘は小さな芽を出した

何時の間にか私の中に根を張りめぐらし

小さな芽が生まれていた


朝の光を浴び 芽は葉を開き

葉は更に次の芽を生み

枝は蔦となり 

そっと絡み合い続けた


ただの棘だった

けれどしぶとく美しい棘だった

外見からは何も分からない

そんなただの棘だった


棘が蔦に姿を変えた ある寒い朝 

あたり一面に霜が降り

絡み合う蔦は

霜の中で氷の彫刻のように

朝光を浴びて輝いていた


プリズムのように

ただきらきらと輝いていた

そんな日が何時までも続くのだと思っていた

赤子に与えられた玩具のように

何時までもきらきら輝いているのだと

微塵も疑いもしなかった


プリズム色に世界を染め上げた後

棘は忽然と姿を消した

あんなにもしぶとい棘が 

何処にも存在しなくなった

隅々まで張り巡らされた根が

今は何処にも見当たらない


ただの棘だった

少し痛くて けれども強い棘だった

傷口はもう癒えたけれど

傷痕の引き攣れは

今でも鈍く光っては

霜に覆われた

蔦のプリズムを思わせる
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by _kyo_kyo | 2012-11-25 18:23 | | Comments(8)

掲載作品 其の一

2012年の冬に、地元で小さな賞を頂いた作品です。
過去に掲載した時のコメントもそのままになっていますが、
詩自体は改作して、全く趣の違う作品に生まれ変わりました。


「図書カード」

分厚い本を机の上に載せ

ぱらぱらとページをめくると

遠い記憶の底から

懐かしい中学の図書室の匂いがした


あなたの閉じたページを制服の私が開く

目をつぶり、息を整え、少しだけ緊張して

みんなに何度も読み継がれ

上がくるりとめくれ上がった本は

所々剥げて今にも分解しそうなのに

「ここにいます」

ページをめくる度に魔法の言葉を囁く


何の変哲も無い本を

ことさら特別に感じさせる図書カード

あなたの後に私が借りて

私の後にあなたが借りて

本の裏表紙に挟まれたカードには

言葉を交わした事も無い

二人の名前が記されていった


何度も繰り返す偶然はまるで必然の様で

少し照れた私は

わざと違う本に手を伸ばしていた

その日を境に裏表紙のカードに

あなたの名前を見出す事も無くなり

二人の図書カードにも

同じ題名の記される事は

無くなっていったのだった


あの頃、制服の私は

若さという微熱を伴いながら

軽い胸苦しさを覚えたまま

図書室でひとり、かくれんぼをしていた

本棚から本棚へとスカートを翻しながら

夕焼けに染まる図書室の片隅で

放課後のほんのひと時

数多の本にかこまれて

私の時間が無限に輝いていた



                       
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by _kyo_kyo | 2012-11-25 15:59 | | Comments(4)

同じ人間だ

思い出が美しくあるように

言葉も美しくあればいい

誰かを思いやる心が重なって

やがて一つの思いとなり

地上をすっぽり雪の様に覆うなら

人は寂しさに涙する前に微笑み

心の空虚さを笑顔で忘れ

そこにはきっと柔らかな雪が積もるだろう


温かな雪の外套を纏った浮浪者は

寒さにかじかむ体を

ガードレール脇に横たえることも無く

若者が弱者に無益な暴力を振るう事も無くなり

残飯が大量に捨てられている現状のまさに隣で

飢えながら何も出来ずに死んで行く人がいる

そんな悲しい現実もきっと消えて行くだろう


同じ人間だ

みんな同じ血の通った人間だ

切られれば痛みを感じるし

飢えも寒さも同じように感じる人間なのに

いつから歯車は狂って行ったのだろう

どこでボタンを掛け違えたのだろう


段ボールに横たわる人の脇を

そそくさと逃げる様に足早に通り過ぎる人達

皆まだ気が付いていないらしい

それが自分の何年後の姿かも知れないという事に
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by _kyo_kyo | 2012-11-22 10:34 | | Comments(4)

ブログ-ありがとうはまほ(う)のことば より

アンタはえらい!
あるきっかけで知り合ったブロガーさん。
彼女の言葉はどれも真摯な思いに貫かれている。

死の寸前まで行く大病をなさって、その後遺症に苦しみながら、
尚も感謝と笑顔を忘れない彼女の言葉は私の甘えた心に突き刺さる。

知り合ってまだ日は浅いけれど、
本当はそんなに詳しくは知らないのだけれど、
それでも彼女は私が最も尊敬するブロガーさんの中のお一人です。

どの詩も、どの言葉も本当に捨てがたく、
トラックバックするのに、どれが最適か随分と迷いました。

世の中にはこんな風に毎日自分と闘いながら、
猶も他人を思いやる心に満ち溢れた人がいます。
生きる意味をもう一度問い直してみようと思わせてくれる言葉が、
そこには満ち溢れています。

まほさん、いつも素敵な言葉をありがとう。
これからもずっと愛読者でいさせてください。
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by _kyo_kyo | 2012-11-17 22:14 | 好きな言葉(抜粋など) | Comments(8)

繋いだ言葉

私は忘れない

繋いだ言葉の途切れたそのずっと先に

あなたの笑顔が

今もほら、見える気がして


どれだけ人は可能性を持ちながら

逆境に押し潰されそうになりながら

それでも生きて行くのだろう


数多の声を聞いた

沢山の歌声に心和まされ

そして体中で歌いたいと願った

全身で歌っても歌声は何処へ届くのだろう

その思いに幾度と無く

押し潰されそうになりながらも

背中を押してくれる優しい感触を感じてここまで来れた

ねえ

「有難う」って、単純だけどとても良い言葉だよね

沢山の有難うが、心を繋いで行く

心を一つに結んで行く


世界はまだまだ悲哀で満ちているのだけれど

それでも絶望なんてしない

自棄になったりもしない

涙なんてもうどれだけ流しても悔いない

世界はこんなにも沢山の希望の種を蒔いているのだから

私が眠りにつく頃

それぞれの種は芽吹くでしょう

そして世界は新しい歌で満ち溢れるのでしょう


だから流す涙を悔いたりはしない

もう二度と繋いだ言葉の行く先を

不安に思ったりもしない

美しい世界の始まりを夢見ながら

長い眠りにつくことが出来るでしょう
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by _kyo_kyo | 2012-11-10 17:00 | | Comments(2)

言葉の星降る夜に

もしも言葉が星となったら

夜空を照らす月の隣で

どんな言葉を発するのでしょう

地上に降り注ぐ月の光を見上げ

あなたを見落とす人は多いでしょう

そんな月の隣で

あなたの言葉はどんな星となるでしょう

美しく輝こうとしても月の光に押され

あなたの言葉に耳を傾ける人はいない

くすんだような自分に

嘆くあなたを月が見ている

言葉は違えども

月の隣で慎ましやかに光るあなたの言葉は

変わらぬ思いを伝え続けている

そんなあなたを月が見ている

そんな言葉を誰かがきっと待ち続けている

大切な思いが星屑となり

迷わず地上に降り注ぐ為に

月は今宵も夜道を照らし続けているのでしょう
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by _kyo_kyo | 2012-11-10 11:56 | | Comments(2)

詩の入賞のお知らせと、皆様への感謝を込めて

今まで、投稿とかそういったものとは全く無縁の世界におりましたが、
偶然叔母に見せた自作の詩がきっかけとなり、
自分の出身地で開催している文芸祭への投稿を強く勧められました。

そういったものには応募しない主義でいたので(要は自信が無いだけの軟弱者なので)
叔母の強い勧めがなかったらきっと一生応募する事も無かったでしょう。

初投稿ということで、歳だけはとっても随分不安もありましたが、
8月の暮れに出身地で文芸奨励賞を頂きました。
これに応募する事が結果、手直しの為自分の作品を大きく見直すきっかけとなりました。

それまで良いと思っていた作品を、客観的にどれだけ自分が見ることが出来ないでいたか、
未熟な作品をどれだけ不完全なまま放置していたか、数え上げればきりがありません。

その弾みもついて、大幅に再度作品の推敲に入りました。
推敲しながら、今度はダメもとで地元の文芸祭にも応募しようと考えましたが、
推敲に没頭するあまり期限を忘れ、当初考えていた作品の推敲は困難となり、
推敲の終わった違う作品を応募することに致しました。

発表の10月下旬も終わりに近づき、完全に諦めていた頃に葉書が舞い込み、
市民文芸祭で佳作に選ばれることが出来ました。

どちらも大賞には遠く及びませんが、これも皆様のお陰と心より感謝しております。
そして、私の詩には深みが無い点を深く感じ、
佳作に終わったことを少し恥ずかしくも感じてもおります。

応募は、これからまたするかどうかは分かりませんが、
いつかもっと自分に満足のいく作品が出来るように、
これからも生きている限りより精進していきたいと思います。

この拙いブログを読んで下さる全ての皆様に感謝を込めて、
これからもどうぞ末永く宜しくお願い致します。
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by _kyo_kyo | 2012-11-04 16:55 | 感謝 | Comments(14)

好きな言葉ではなくて、好きなブログですね^^

禁断の地、上高地へ、そして奥穂高、涸沢岳、北穂高縦走 その4
夕焼けに燃えるような美しい自然を堪能させて頂きました。
今頃、山はとても寒い事でしょうね。
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by _kyo_kyo | 2012-11-02 20:05 | 好きな言葉(抜粋など) | Comments(6)