人気ブログランキング |

夏の花火

浴衣姿の少女達を覆っていた小雨が上がると

空が端からどんどん夜色に染まり始め

太鼓の音が雑踏の喧騒を叩きながら

祭りの始まりを告げる


屋台から漂う焼そばやイカ焼の胃袋を刺激する匂い

道端に散らばるリンゴ飴の棒や空き缶

びっしりと立ち並んだ屋台の合間を縫い

人々が川の様に流れて行く


大空に響くひと際大きなドンという音

花火目指して一斉に人波が押し寄せ

夜空が鮮やかな華に彩られる夏の宴が始まる

空に浮かんだ赤いハートや星が煙となって風に流れ

金の大輪が空いっぱいに花開き

輝きながら消えて行く

次々と打ち上げられる花火の

光りながら崩れ行く様に

「たまやー」思わず声が出る

夜空を覆う大量の煙と

むせ返るような火薬の匂い

閃光がこだまする中を

何度も旋回する

ヘリコプターのプロペラ音


鼓膜を打つ音に胸が高まり

夜空が輝く度にどよめきが起こる

父親の肩車の上で揺れる幼子の切り揃えた前髪

ビールを片手に夜空を見上げる陽に焼けた若者達

チカチカ光る腕輪を付けたか細い腕の少女

皆が今この空を見つめている

一瞬で散って行く火の花を見守っている


この夏のほんの束の間の美しい宴

そうして私もまた夏の花火を見ている

過ぎ行く季節を惜しむように

崩れ去る光の帯を

今年も変わらずに愛でている






    
          七月の終わりに書いた詩ですが、推敲に時間が掛かっているうちに
     こんなに時間が経ってしまいました。ドンマイ!自分

by _kyo_kyo | 2012-10-12 23:56 | | Comments(6)
Commented by yuuki-555 at 2012-10-13 03:21
 そう言えば、僕も昔?以前^^「花火」というタイトルの
詩を書いたような~。

 その時は、小さな娘(長女)と妻、そしてもう亡くなった
妻の母と4人で行った思い出が甦りました・・・。

 大勢の観衆の中を移動中に、泣き出した娘を抱っこして、
観衆の群れを抜けると、娘の履いていたスリッパが抜けて
いました。 そんな、娘も、もう高2で、会話もないのが
淋しいですねm(__)m・・・。

                     ゆうき ☆彡
Commented by _kyo_kyo at 2012-10-13 09:26
ゆうきさん、コメント有難うございます。
花火の思い出って人それぞれに沢山ありますよね。
私も、久しぶりにゆっくり花火を眺めながら浮かんだ言葉を綴っていったのですが、
推敲しながら娘の小さかった頃の花火の思い出がいっぱい蘇って、
詩の中にシンクロしていきました。

娘さんも思春期で、親から離れていく年頃ですね。
私と娘は女同士なので、まだ会話はありますが、そういった点ではお父さんってちょっと可哀想ですね^^
Commented by konnakanjiyakedo at 2012-10-13 09:34
花火や露天の様子が懐かしく浮かびました。ありがとうございます。

石畳を歩き始めたとき、後ろでヒューって音がして、
振り返ったら、ドーンと空に花がさきました。
きれいって思っていると、隣にいたあの人から石鹸の匂いがしました。

そんなことも浮かびました。
Commented by _kyo_kyo at 2012-10-13 21:33
Konnakanjiyakedoさん、コメント有難うございます。

それはとっても素敵でロマンチックな思い出ですね。
そんな風に感じて下さるととっても嬉しいです。
また是非コメ下さい^^
Commented by konnakanjiyakedo at 2012-10-14 02:26
いや……思い出じゃありません。この花火の記事の中に、そんな二人がいたような気がしただけですから。
Commented by _kyo_kyo at 2012-10-15 13:29
そうですか、そういう感じを持って頂けたなら、この詩も喜んでいることと思います。
詩も読む人によって、とても膨らみを増しますね。
有難いことです。
<< 雨のリズム 秋のススキ >>