波止場の鉄橋の取り壊しが決まり
ここに新しい橋が架かるという
古い橋を横目に
迂回しながら自転車で渡る
毎日通った橋は消えても
想い出の消えることは無いと分かっているのに
自転車をこぐスピードが自然と緩くなる
慣れない仕事について行けず悔し涙を流した日もあった
年下には何度も無視されたし
雪の日にはスリップした車に轢かれそうにもなったことも
それでも認めてくれる人が出来た
こっそりエールを送ってくれる人もいた
私を癒しと言ってくれる人までいた
みんな懐かしくて苦い想い出
古い橋は無くなるけれど
また新しい橋を渡るだろう
そうやって想い出をまたひとつ
積み重ねて行くことだろう