果肉

名も知らぬ花を踏み散らし

遠ざかる未来を眩しい思いで追いかけた

世界はこんなにも大きくて

未知との遭遇で成り立っているというのに

私はまだここにいて

佇んでいるばかりの己の姿に

背伸びして捥いだ真っ赤な柿の実が重なる

それは少し熟んでいて

裂けた皮から汁が腕にまで伝って

甘い汁が毀れていった

甘くて けれど苦い汁

世の中はそんなものだと思っていた

花は踏みつぶされ

命は数多の嘆きの中で磨り潰されて行くだけの存在

汁は甘いようで

結局は苦味だけを残し舌を刺す


けれど感情はバームクーヘンの様に

数多の層を重ねながら新しい自分へと向かう

月日の中で流れて行った名も知らぬ花

未来はもうこんなにも近くに来ていて

いつしか共に肩を並べて歩いている自分に気が付く

今では柿を捥ぐのもいとも容易くて

それを少し残念に思うのか

自分でも分からぬまま

裂いた皮の間から

滴る果肉を啜っている










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by _kyo_kyo | 2014-02-04 02:08 | | Comments(2)
Commented by KawazuKiyoshi at 2014-02-05 15:34
If you feel lonely
Cry to me

If you feel sad
Cry to me

I always stand here

If you feel warm
Smile to me

If you feel peace
Smile to me

I always stand here
with Love

今日もスマイル
Commented by _kyo_kyo at 2014-02-06 09:41
先生、
とても美しい、優しい詩ですね。
無知で恥ずかしいですが、どなたかの歌でしょうか。

自然な感情の美しさ、私にも欲しいです。
心が疲れたなら、微笑んで、また歩き出そう。
素直にそう思われる朝日です。
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