富士観測ー野中夫妻に寄せて

ささくれた木のカンヌキが

閉ざした世界を作り上げ

閉じ込められた凍てつく冷気の中で

ゆっくりと吐く息の凍る様を見る

涙は零れる前に凍りつき

絶やすことなく燃やし続けた命の火が

次から次へと訪れては消えていく

命は己だけのものではないと

沢山の呼び声が雪山にこだまする

死んだ者達の無念の声が

山小屋の回りで怒号する

温もりの失せた体を沢山の手が包み込み

こちらへ来るなと叱咤する

小屋は厚い氷に被われ

ささくれたカンヌキに守られ

氷に閉ざされた世界で

夢と現の交錯する世界に生きている
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by _kyo_kyo | 2015-03-14 23:32 | | Comments(0)
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