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幻の花束

悲しみのうねりが

波のように押し寄せては引いていく

ああ、私は誰・・・

うねりに身を任せ

あてどなく夜の波間を漂う


空を探る手が

幻のように悲しみの花束を掴み

叫ぶ声かすれ 悲鳴は声を成さず

訳も無く瞳を熱く濡らす水滴を

ただじっと飲み込もう


真っ暗な闇の色に指先まで染まりながら

ただ一心に腕を伸ばそう


ふいに何かに腕を掴まれ

声無き悲鳴が体中を駆け巡り

必死で幻の花束を闇に向かって叩きつける


ふと気がつくと

凍てついた心が枯葉のように

夜風の 窓ガラス震わす音に震えている
by _kyo_kyo | 2006-03-23 12:07 | | Trackback
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