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遠い記憶

零れる涙を掬って

そっと唇に押し当てると

少ししょっぱくて

懐かしい味が滲んできた


瞼の奥に洗い立ての白いエプロンと

それをきゅっと締めた小柄な母の笑顔が広がった

赤チンをいつも塗られた膝小僧

どんなに寒くても逃げ回って履きたがらなかった毛糸のズロース

いつも途中で折れてしまうクレヨン

塗り絵をしながら母のそろばんを玩具にして

折れたクレヨンを乗せては

ちゃぶ台の上を自動車の様に走らせては遊んでいた


陽だまりでは穏やかな性格の飼い猫のチルが

白い大福餅みたいに丸くなって寝っていた

時折、子供の無邪気な残酷さで

尻尾を掴んでひどく引っ張り回してみても

一度も怒ること無く 

迷惑そうな素振りさえも見せずに


母とチルと陽だまり

全ての世界がその中にあって

そうして日の暮れる頃には

家路をたどる父の靴音を心待ちにしていた


時折、唇に沁みる涙の味は

忘れかけていた切なさと

温かさを教えてくれる


遠い昔の

けれどとても大切な記憶たち

いつまで傍にいてくれるかな

ずっと傍にいてくれると良いな

唇に沁みる涙の味が

遠に失くした過去の思い出を懐かしんでいる
by _kyo_kyo | 2008-02-18 22:48 | | Comments(2)
Commented by 水の森 at 2008-02-22 21:28 x
ぐはっ! 何という素敵な光景なのでしょう。。
好きな表現というか・・ そんな光景が体験があったからでしょうけど
いいなぁ~。 凄い良いなぁ。。
パクリたいくらいに・・(笑 ← ぱくりませんから安心してねww

クレヨンは折れちゃうけど、クーピーは中々折れなかったよね・・
と。、また脱線したコメントして、重ね重ねすみません m(_ _)m

クレヨンのあたりから
盛り上がって、興奮して読んでしまいました(笑
Commented by _kyo_kyo at 2008-02-24 01:39
水の森さん、ぐはっ!て(笑
好きな表現と言って頂けて嬉しいです。
えっと、パクって貰っても全然構いませんことよ?w

な~んちゃって、
こんな感じの物しか書けないんですよねぇ~
自分の詩の力量の無さ、
創作力の限界、っていうのでしょうか、
それがずっと筆を折っていたことの理由の一つでもあります。

クーピーは、私の年代には新し過ぎて今一馴染みが薄いんですよ~
やっぱりこの時代、お絵描きにはクレヨンです^^

ぎゅっと握り締めたクレヨンで手の平がべとべとになって、
爪の間まで真っ黒になっちゃったっけ。
あの独特の匂いも懐かしいなあ。

地面を赤く塗りたくって、
どうして黒く塗らないのかと母に問い詰められ、
「どうして地面は黒って決まってるの、赤い地面があったって良いじゃない」
と、子供心に納得が行かなかったものでしたw
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