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夏の終わり

ひんやりした夜風が頬を撫で

湯上りの火照った体を冷やす

暗がりの中

虫の音が草むらを伝う


もう夏が終わる

虫の音に追われるように

急速に夏が遠のいていく


ぬれた髪を指で無造作に梳き

コップの氷をころころ転がすと

溶けた氷を口に含んで

飴玉のようにがりりと歯を立ててみる


ひんやりした氷の塊を

手のひらに乗せ

火照った手のなかで

みるみるうちに小さくなる氷を

溶けた水滴と一緒に頬に押し当て

小さな欠片を愛しむように

コップに残った最後の欠片をごくりと飲み干す


パタンと窓を閉めると 

虫の音が少し遠ざかる

最後の夏の一夜の情景
by _kyo_kyo | 2004-09-13 01:02 | | Comments(0)
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