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見上げれば

ふうわりと、お空に浮かぶ雲。

白く淡く、優しく流れる。


立ちくらみで、地べたにぺたん。

しゃがみこんで見ている。

明るい、明るい青空に浮かぶ柔らかな雲たち。


手元にはスコップと、水仙の球根。

土のこびりついたがさがさの手。

蚊に刺されて、赤くなった頬が痒い。


鋏でラベンダーの茂みを刈り込みながら、

まだまだ枯れないでと心に願い、

毛虫に、ごめんねと言いながら土に返す。


昨日もいたオレンジの蝶々が、

今日もまたハーブの枝で羽を休めている。

死期が近い・・・羽の動きが緩慢だ。


ゆうるりと、自分の死に場所を探している。

死は、穏やかなほうがよい・・・

私はそっと目をそらす。

君の死に場所だ・・・

優しい自然の力が、君を大地に帰すだろう・・・


奪われた毛虫の命、

ラベンダーの香りの染み込んだ手で、

一瞬で奪われた虫の命。

消えゆくことを儚く想われる蝶の命。


地面にしゃがみこんだままで、

ずっと空を見ている。

流れ行く雲の白さを見ている。
by _kyo_kyo | 2004-10-18 11:38 | | Trackback(1)
Tracked from 心のカケラ(2004.1.. at 2007-04-09 19:59
タイトル : 事柄に寄せて・・・(2)
見上げれば これも同じ理由から再度アップ致します。 命の尊さを自分なりに噛み締めてみたいのです。... more
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