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2013年 04月 04日 ( 1 )

遊環は鳴り響き門番は告げる

最果ての西の大地に砂塵が舞い

未来永劫佇む門番が

錫杖(しゃくじょう)を振り鳴らし旅人に告げる

これより先へ進む者には死をと

それは悠久の大地に佇む

旅人へのメッセージ


痛む足を引きずりながら

ただ歩き続けてこの地まで来たのに

持てる物全てを投げ捨てて

ひたすら歩み続けて来た者に

門番は非情にも告げる

ここより先には死より他何も無いと

踵を返し今来た道を引き返せと

希望だけが進む力を繋いでくれた者へ

絶望だけが待つ世界へ戻れと言う

門番は錫杖を振りかざし

これ以上は一歩も進ませぬと告げる


砂塵舞う風に包まれた

西の門番であるところの乙女よ

お前は理解しているだろうか

全てが絶望へと帰しつつある世界の中で

ただお前だけが旅人達の

最後の希望の砦なのだと

そうしてその世界で

お前もまた無意識の裡に何らかの

変革を待ち続けているのだと


目も開けられないほど

火傷しそうな砂埃が舞い続ける灼熱の太陽のもとでも

星達が凍りついたまま

果てなく落ち続ける沁みるように凍てつく夜にも

鳥の影すら訪れることの無い

目も眩むような永遠とも云える長い歳月を重ねながら

門番はたった一人で孤独に耐え続けねばならぬ


世界の終わるその日まで

世界の終わりを告げる為だけに

この世に生まれし聖なる乙女よ

お前の持つ錫杖の遊環が

今日もまた遥か地平線の彼方まで

絶望という名の響きを奏で続けている
by _kyo_kyo | 2013-04-04 10:31 | | Comments(0)