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剥がれ落ちる心と Ⅱ

言葉が飛礫のように降リ注ぎ

心は乾いた絵の具のように

はらはらと剥がれながら落ちて行く

時に言葉はナイフの鋭利さを持ち

刺された場所がドクドクと

脈打ちながら涙のような血を流す


膝を抱えたまま

泣きながら眠りについた子供の

旋律のような魂が

今宵もまた

行き場を求めて震えている


青ざめた寝顔から安らぎを奪ったのは誰

白百合のような たまゆらの夢が

無慈悲な腕に

次々と手折られては消えて行く

その腕は元々は

誰かを傷つける為にではなく

ただ抱き寄せる為にこそあったのに


今宵も行き場を失くした魂が

夜を彷徨い

灯台に集う漁船のように

月明かりの元へ

ひと時の安らぎを求めて集う


青白い光の中で

魂は蜻蛉の羽のように震えながら

安らかな眠りに包まれることを願い

夢の腕に抱かれている





       2009.9.25

                        2013年度 栃木県文芸際応募作品
by _kyo_kyo | 2013-07-18 11:06 | | Comments(0)

終焉 Ⅱ

ゆるいゆるい波の音が

波打ち際の幾千もの貝殻を洗い

骨のような欠片がぶつかり合っては

しゃらしゃらと音を立てて崩れていく


次から次へと寄せては返す波の音が

打ち寄せる貝の骸を

海の底へ呼び戻そうと囁いている

海藻揺れる海の底より生まれ出で

波音を子守唄に聴きながら過ごして来た

海の子供達の最後に行き着く場所(ところ)へ


穏やかに翳る空間のコントラストの中で

四方から押し寄せる波の音と

白い海鳥の羽ばたきが私を包む


波打ち際では夏の日差しに晒され続け

干からびて白く風化した貝の墓場が

ゆるいゆるい波音に洗われながら

ひとつの世界の終焉を告げていた
by _kyo_kyo | 2013-07-18 04:54 | | Comments(0)

偽善と欺瞞の世界の中で

夢も見ない深い眠りに就き

ただ貪るように墜ちて行くだけの

今宵の滴るような睡眠


窓ガラスに打ちつけては

滑るように伝う雨のように

一瞬で生まれては消える

止むことのない絶望


この世に平等なんて言葉は無くって

良いことをした人は報われるなんて全くの偽善で

感情はどす黒く渦を巻き

ちっぽけな感情は

全て呑み込まれる定めだとしても

それでも人は何かにすがろうとしている


世の中は一歩踏み出せば躓きそうな程の

欺瞞に満ち満ちているというのに

みんな何処かで許しを求めている

無い筈の癒しをずっと求め続けている


雨は天が流し続ける涙のようで

昨日も今日も

そしてまだ見ぬ明日も

世界は涙で溢れてしまいそうで

それでも尚 生きねばならず

絶望はただ

それだけで罪で


これからも世界が

エンドレステープで在り続ける限り

今宵もまた

夢も見ない深い眠りの中に墜ちて行き

滴る涙のような

絶望の淵に立ち尽くしたまま

まだ見ぬ明日を生きるのだ


そうやって

毎日を点線の様に上手くやり過ごしながら

自分をもまんまと騙し通そうとしている

ただ時折

窓ガラスを叩く雨の音に

現実に引き戻されながら



2013年度 栃木県文芸際応募作品
by _kyo_kyo | 2013-07-18 04:27 | | Comments(0)

焦る事なんて無い

焦る事は無い

どれだけ急かされたって

焦って良くなった事なんて一度も無い

焦って自分を見失う必要なんて無い


どんな結果が待っていても

自分の出来る範囲は決まっていて

それ以上を望むのは贅沢なこと

駄目なら駄目でも良いじゃない

そういう時もあるよ


焦って背伸びするより

時には立ち止まって待つのも良いかも

答えなんて何処にもない

でも聞きたくなるんだ

どうしたら良いって


答えは他人の中には無いよ

そんなことずっと前から知っているよね

決めるのはただ一人

自分だけ

ずっと知ってるのに

それなのにね

今一歩踏み出す勇気がなくって

誰かに背中を押して貰おうなんて

都合のいい事考えちゃうんだ


でもそれは違うって分かってるから

今度はね

ちゃんと自分で決めようって決めたよ

焦らないで背伸びをしないで

自分らしくあれればそれでいい

それでいいの
by _kyo_kyo | 2013-07-18 04:08 | | Comments(6)

まどろみ

蓄音機に落とす針のように

言葉を落としては

私を溶かし

何度も何度も繰り返し

見知らぬ誰かの夢となる


リフレインは風鈴の様に

耳に鳴る風の音

りりりんろんと響いては

何処までも追いかけて

耳の中で転がるまどろみ


今宵も優しい夢を見ましょう

そうして街が眠りにつく頃には

帳がすっぽりとあたりを蔽いつくし

世界は誰かの見果てぬ夢となり

耳元に優しく響く風鈴の音の様に

穏やかな寝息を守れます様に
by _kyo_kyo | 2013-07-17 12:56 | | Comments(4)

鉄橋が

波止場の鉄橋が取り壊しになり

新しい橋が架かるという

まだ古い橋はそのままに

迂回して仮設の鉄の道を渡る

何度も渡った橋が

もう少しで存在しなくなる

数多の想い出と共に

この世から姿を消す


そうじゃないんだと

想い出の消えることは無いのだと

頭では分かっていても

橋が消えることは

私の中で

その時橋を渡りながら感じた

全ての感情にバイバイすることなんだ


良いじゃないか

どれだけの想い出と別れようと

私はまだ生きている

生きて新しい思い出を

また作ることが出来るのだから
by _kyo_kyo | 2013-07-09 02:42 | | Comments(2)

不公平

ある人に良いことが

ある人には悪い事になってしまう

それって普遍?

誰かが裕福になれば

誰かが飢えていく

それが世の常?

苛める側と苛められる側

それは大人になっても同じなんだ

迫害する側と迫害される側

裁く側と裁かれる側

そして処刑する者と処刑される者

世の中は公平という名の不公平の中で回っていく

今日も同じように回っていく
by _kyo_kyo | 2013-07-06 11:11 | | Comments(2)

無題

ページの隙間から毀れるのは

隠しておいた内緒の言葉

音楽の隙間から顔を覗かせる

不確かな要素を含んだ不協和音

何もかもが絡み合って行く

絡み合いながら上へ上へと

この世の果てまで目指そうか

そうしてやがては灼熱の太陽に身を焼かれ

燃え尽きるまで登りつめて

紙のようにめらめらと

情念を燃やしながら

真っ青な海へ向かって落ちて行こう
by _kyo_kyo | 2013-07-03 10:33 | | Comments(2)